はじめに：次のステップへ進もう
基本的な cd や ls にはもう慣れましたか？
Linuxの面白さは、少しずつ使えるコマンドが増えるほど効率が上がり、システムの理解が深まるところにあります。ここでは、脱初心者を目指す人が覚えておきたい応用操作10選をわかりやすく解説します。
1. chmod：ファイルやディレクトリの権限を変更する
複数人で作業する環境では、誰が読めるか・書けるかをコントロールする必要があります。
chmod 755 script.sh最初の「7」は所有者、「5」はグループ、「5」はその他ユーザーの権限を表します（読み4＋書き2＋実行1の合計）。数字の組み合わせで柔軟に設定できます。
2. chown：所有者やグループを変更
ファイルの所有者やグループを変更したいときに使います。
sudo chown user:group filename: の前が所有者、後ろがグループです。
3. ps と top：プロセスを監視する
バックグラウンドで動いているプロセスを一覧したいときは ps aux が便利です。
常に更新しながら監視する場合は top を使うとCPUやメモリの使用率をリアルタイムで確認できます。
4. kill：プロセスを終了する
暴走したプログラムを強制終了する際に使います。
kill PID終了しない場合は kill -9 PID でシグナルを送ります。PIDは ps や top で確認できます。
5. パッケージ管理 (apt / dnf / yum)
ソフトウェアのインストール・アップデート・削除はパッケージマネージャーに任せるのが鉄則です。Ubuntuなら apt、FedoraやCentOSなら dnf や yum を使います。
sudo apt install git
sudo dnf updateシステムを安全に保つため、定期的にアップデートする習慣をつけましょう。
6. grep と find：検索の達人になる
大量のログやファイルから目的の文字列を探すには grep が必須です。
grep "error" /var/log/syslog特定のファイルを探すときは find で検索しましょう。
find /home/user -name "*.txt"7. パイプ (|) とリダイレクト (>・>>)
複数のコマンドを組み合わせると作業効率が格段に上がります。例えば、ログからエラー行だけを抽出して新しいファイルに保存する例：
grep "ERROR" app.log | sort | uniq > error_summary.txt>> を使うと追記できます。
8. tar と gzip：アーカイブと圧縮
複数ファイルをまとめたり圧縮したりする際は tar と gzip が便利です。
tar -cvzf backup.tar.gz /home/user/documents-c は作成、-v は進行状況を表示、-z はgzip圧縮、-f はファイル名指定です。
9. ssh と scp：リモート接続とファイル転送
別のマシンに安全に接続するには ssh を使います。
ssh [email protected]ファイルをコピーしたいときは scp が便利です。
scp file.txt [email protected]:/home/user/10. エイリアスとシェルカスタマイズ
よく使う長いコマンドはエイリアスで短縮すると効率が上がります。~/.bashrc や ~/.zshrc に以下を追記します。
alias ll='ls -la'
alias gs='git status'ターミナルのプロンプトをカスタマイズしたり、補完機能を追加することで作業が快適になります。
まとめ：中級者への道は日々の工夫から
今回紹介した10の操作は、Linuxの世界をさらに深く楽しむための基本です。
権限管理やプロセス監視、パッケージ管理を覚えることで、トラブルシューティング能力が大幅に向上します。コマンド同士を組み合わせることで効率化の幅も広がります。
次は、シェルスクリプトで自動化を学んだり、systemctl でサービスを管理したりするのも良いでしょう。これからも一歩ずつスキルを磨いていってください。
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