はじめに
しばらく使わずにいたNetgear AirCard 785SをUSBケーブルで充電しようとしたらいつまで経っても充電されず0%のままでした。すでに保証期間外なのでメーカー対応も難しく、色々と試行錯誤してみたところ何とか充電できるようになったので記事にします。
この記事ではバッテリーを分解する内容となっています。リチウムイオンバッテリーを分解する際にはショートや圧力などで発火、爆発する恐れがあり大変危険です
ここでの手順はあくまで著者が個人として行ったものであり、分解を行うとメーカーのサポート対象外になりますので自己責任でお願いいたします
Netgear AirCard 785Sのバッテリーを調べる
最初にNetgear AirCard 785Sで使用されているバッテリーを調べてみます。
バッテリーには型名が W-3
と記載されていました。Netgearのサイトを確認するとメーカー型番は MHBTR01-100JPS
とのこと。
AmazonにはW-3の互換バッテリーが販売されているので、てっとり早くバッテリーを使えるようにしたい方は下記のリンクから購入可能です。
バッテリーの外装を外してみる
W-3
に関するあまり詳しい情報がわからなかったので、手持ちのバッテリーを調べてみることにしました。
外装を包んでいるシールを剥がすと両面が鉄製(アルミ?)のパネルが両面テープで覆われていたので、パネルを薄めのヘラなどで剥がしていきます。
パネルを剥がすと2つのバッテリーセルが見えてきます。セルには LP553446ARU
と記載されていたのでネットで調べてみたのですがあまり情報が出てきません。とりあえず1000mAh,3.7Vのバッテリーであることがわかりました。2つのセルは並列で接続されているので、2000mAh,3.7Vのバッテリーとして動作するようです。
また、接点の周辺にはバッテリー回路が組み込まれていました。
電圧チェック
セルが露出したのでテスターでDC電圧を測ってみたところ1.9Vでした。3.7Vバッテリーなのでかなり電圧が下がっているようです。
おそらく電圧が下がりすぎるとバッテリー回路が異常値とみなし、充電をしないように制御しているのではないかと仮説を立てました。
バッテリーセルを直接充電する
外見上、セルに電圧値以外で異常は無さそうだったのと、上記の仮説を確かめるべく安定化電源を使ってセルに直接電流を流して充電してみることにしました。+とーを間違えないようにバッテリーに安定化電源からのクリップを接続します。
ここでの目的はバッテリー回路が異常値と判断しないようバッテリーの電圧値を上げることです。(具体的な電圧のしきい値はわかりませんが、3.0V前後であれば問題ないかと思います)
また、あまり多くの電流を流すのはバッテリーに負荷がかかり良くないので安定化電源のC.C.を200mAから300mA程度に設定します。
今回のケースでは、安定化電源から充電してみると3分程度で電流値が下がり、テスターで確認すると電圧が3.0V近くまで上がったので充電を止めました。
Netgear AirCard 785Sに接続してみる
3Vまで電圧が戻ったので、仮説が正しければバッテリー回路が異常とはみなさずに充電ができるようになるはずです。
AirCard本体で充電できるよう、分解したバッテリーをとりあえず本体に組み込めるようにして、本体に格納します。
USBケーブルで充電しながら3,4分待つとこれまではバッテリー残量が0%を超えることがなかったのですが、残量1%に表示が変化しました。
充電復活
あとはしばらく放置してバッテリーが100%まで充電できるかを確認します。
無事に100%まで充電
しばらく充電してみると100%まで充電することができました。あとは金属パネルを再度両面テープで固定し周りを薄めのテープで絶縁しておきます。見た目は良くないですがこのバッテリーでもう少し使い続けることができそうです。
無事にバッテリー単体で動作するようになりました。