はじめに
フリマアプリを見ていたらSONY WF-1000XM3のジャンク品が出ていたので購入しました。この記事では修理完了に至っていませんが、分解手順を中心にまとめていきます。
ジャンク理由
まず、ジャンク理由ですが充電ができないためとのことでした。イヤフォンとケースのどちら(もしくはどちらも)に原因があるのか説明内容からは判断できませんでした。
状態確認
商品が届いたので状態確認しました。イヤフォンをケースにしまい、Type-Cケーブルで充電できるか試してみます。ケーブルを繋ぐとケースの赤LEDが点灯しますが、イヤフォンの赤LEDは点灯しません。イヤフォンを取り出しても無反応なため動作確認はできませんでした。イヤフォンとケースの金属接点を掃除したり、公式にあるリセット手順を試みるもすべてNGのためケースの分解を始めることにしました。
WF-1000XM3ケースの分解手順
道具
まずは使った道具から。
ステンレス板
0.1mmステンレス板をハサミで下の写真のように切ります。(写真の1マスが1cm x 1cm)
スパッジャー
ケースカバーとりはずし
ステンレス板を下記のようにケースのすき間に入れます。
ステンレス板とケースの間にスパッジャーを差し込み、テコのようにしてスパッジャーを動かしてグレー部分のプラスチックを上に押し上げます。
力を入れすぎて割れたりしないように、少しずつ時間をかけて作業します。
少しずつ外れてくるので、焦らず作業してください。
両面テープの位置
ケース内部では両面テープで固定されています。場所は下記のケース底に近い赤丸部分です。小さなテープなのでヒートガンを使わなくても外すことができました。
外側カバーが外れると基盤やケーブルが確認できます。
基盤確認
基盤を確認したところ、購入時の商品説明にはなかったのですが液体が乾燥して固形物になったようなものが付着していました。
昇圧チップのMAX8969付近に黄色の固形物がびっしり付いていました。
フラックスクリーナーで洗浄したらTPS2553付近のチップコンデンサが外れました。水没した際の液体で腐食していたようです。同じパラメータのコンデンサがあったので付け直しました。
テスターでチェック
基盤のショート箇所が無いかチェックしてみましたが、ショートは確認できませんでした。
次に電圧を確認したところ、MAX3969の出力側(Output)から電圧が出ていないようでした。チップに直接テスターのプルーブ当てられないので、チップの両隣にあるチップコンデンサで確認しました。
参考:MAX8969のデータシート (p.10にピン配置が書いてあります)
MAX8969をヒートガンで取り除きます。他のパーツも外れないようにポリイミドテープで周囲を保護します。
MAX8969を外したところ、下記の写真のように基盤のパターンにも腐食が進んでいたようでした。出力部分のパターンが剥がれています。また、中央部分にはチップが腐食して粘土状になった黒い何かが付いています。ケースが正しく動作していない原因はこのMAX8969にあったようです。
基盤のパターンはスマホ修理用のラグを使えば何とかなりそうです。が、肝心のMAX8969はAliExpressなどでは扱っているショップが見つからず、digikeyなどで輸入すると輸送費で2,000円ほどかかるため諦めました。
新たにWF-1000XM3の中古品を購入
ここまでの作業でケース側のイヤフォン側には基盤にあったような固形物は確認できませんでした。おそらく前の持ち主はケースだけ何かの液体に水没させてしまったようです。調べてみるとWF-1000XM3用のサードパーティ製充電ケースがAliExpressで2000円ほどで売られているようなので、MAX8969を取り寄せるまでもなさそうです。
そして、新たにWF-1000XM3の中古品を数千円で手に入れることができたのでイヤフォンをこの中古品で充電してみたところ正常に動作しました。
まとめ
MAX8969が手軽に入手できればよかったのですが、とりあえずイヤフォン本体は正常に使えたので良かったです。